マッケンジー体操を始める前に知っておきたい注意点と禁忌
こんにちは。リハビリやセルフケアでよく取り入れられる「マッケンジー体操」は、腰痛や椎間板ヘルニアなどの症状に対してとても有効な運動療法です。しかし、実はすべての方に適しているわけではありません。
今日は「マッケンジー体操をしてはいけないケース=禁忌」について、わかりやすくご説明します。
禁忌
1.運動中に痛みやしびれが悪化する場合
マッケンジー体操の目的は、腰の痛みを軽減し「中、症状を心化(セントラライゼーション)」することです。これは、足先のしびれなどが腰に戻ってくる良いサインです。
ですが、逆に体操をしたことで、
・腰の痛みが強くなったり
・しびれや痛みがお尻〜足先にかけて広がる
このような場合は要注意です。
これは症状が悪化しているサインです。
➡※このような反応が出た場合は、すぐに体操を中止してください。
2.急性のぎっくり腰(強い炎症がある時)
ぎっくり腰のような急性の腰痛で、まだ動くのもつらいという段階では、無理にマッケンジー体操をするとかえって炎症を広げてしまうことがあります。
➡強い痛みがあるうちはまず安静や冷却を優先し、落ち着いてから専門家と相談しながら体操を始めましょう。
3.骨折・腫瘍・感染などが原因の腰痛
以下のような非筋肉・関節由来の腰痛では、マッケンジー体操は行ってはいけません。
・圧迫骨折(高齢者に多い)
・がんの骨転移
・脊椎感染症(脊椎炎・膿瘍)
このような場合、体を動かすこと自体が危険になることもあります。
➡まずは整形外科などで正確な診断を受け、原因を明確にしましょう。
4.脊椎すべり症・脊椎分離症・脊柱管狭窄症の方
これらの疾患では、腰を反らす動きで椎骨がずれたり、脊柱管を走行している神経を刺激したりするリスクがあります。
マッケンジー体操の「腰を反らす」動きが逆効果になるため、慎重に対応する必要があります。
➡マッケンジー体操ではなく、狭窄症に効果があると言われているのはウィリアムス体操です。専門家にしっかり指導を受けましょう。
5.体を動かすことで強い痛みや恐怖感がある場合
・痛みが怖くて動けない
・動かすと鋭い痛みが走る
こうしたケースでは、体操が「正しく行えていない」か「炎症が強くやる時期ではない」可能性があります。無理に続けるのは避けましょう。
➡※「心地よい範囲」で動かすのが原則です。痛みを我慢して行うものではありません。
当院では、マッケンジー体操やウィリアムス体操などのほか、状態に合わせたホームケアをお伝えしています。
腰痛や神経痛、首肩こり、五十肩などお悩みの症状は様々だと思いますので、どうぞお気軽にご相談下さい!!