鍼灸
鍼とお灸について
【 自己治癒力を高める 】
鍼灸治療は、鍼(はり)やお灸(きゅう)を使用して本来身体が持つ自己治癒力を高めていくもの。
鍼やお灸は、自分で治す力がしっかり湧いてくるように自己治癒力を高めるお手伝いさんのような役割をしてくれます。
身体へ鍼(はり)やお灸(きゅう)をすると体には目に見えない綺麗な傷がついたり、体内に異物が入り込んだりすることで体は異物が混入してきたと認識し、傷がついた部分や異物が混入したところを修復しようと反射や反応を起こします。
この反射と反応により鎮痛効果や血流改善が促されるというものなのです。
【 鍼灸の効果 】
◎ 血流改善と鎮痛効果
鍼やお灸を行うと筋肉中の血管が拡張、血流が改善されることで痛みを出す発痛物質が押し流されて痛みが解消されます。また、脳内でモルヒネ様物質が放出されることで鎮痛効果が得られます。
◎ 自律神経 (交感神経と副交感神経) の調整効果と鎮静効果
自律神経の活性化やその働きが調整されます。
本来、自律神経は交感神経と副交感神経がバランスよくシーソーのように働いてくれています。
日々の疲労やストレスが溜まってしまうと、この自律神経のシーソーがうまく働きづらくなることで交感神経が優位に働きやすくなります。
こうして交感神経によって興奮状態にある身体に鍼やお灸を使い経穴(いわゆるツボ)に刺激を加えると五臓六腑のバランスが整い、交感神経の高ぶりが抑えられリラックスした状態を取り戻すことが出来ます。
また脳内ホルモンの分泌が起こり各臓器の働きが調節される効果もあります。
シーソーのように上手く働くことが出来なくなった自律神経の働きを五臓六腑のバランスを整えることで本来自分が持つ自己治癒力が高まり、緊張状態が開放されリラックスした状態にすることができるということです。
◎ 免疫力向上
免疫系細胞に作用し免疫を調節できます。
鍼灸の刺激が入ると、その部分に血液が集まってきます。
これはフレア現象といい毛細血管が拡がり血流が増加している証拠です。
血流が増加改善されると身体も冷えづらくなり、体温が上がり免疫力が向上。
また、お灸を据えると白血球の増加が起こり身体の抵抗力も高まるので、身体が冷える、風邪の引き始めなどにはお灸で温めてあげることがお勧め。
【 使用する鍼やお灸について 】
使用するのはディスポーザブル鍼といって使い捨ての鍼を使用していますので、衛生的に安心して受けて頂けるものです。太さは髪の毛程度の細い鍼で、刺されるのが怖いという方でも受けられる接触鍼( 皮膚に触れるだけの鍼 )もございます。
また、お灸はほんのり温かいお灸で熱くなく刺激していきます。
鍼灸施術が初めてで少し不安があるという方でも優しい鍼やお灸で施術できますので、お気軽にお問い合わせください。
【 初めての方へ 】
1.受付
ご来院になりましたら今のお辛い症状について予診票の記入をお願いしております。
2.お着替え
施術ベットにてお着替えをお願いしております。
3.問診と検査
問診時、今のお辛い症状やその他食欲や睡眠などの状態もお聞きしていきます。肩こり腰痛などの痛みや自律神経の不調で不定愁訴などが現れている方、様々いらっしゃると思いますが鍼灸施術では症状以外のお身体の状態をよく聞き取り、施術を行っていきます。
また、症状の改善を図る為に脈診や腹診によって五臓六腑のバランスを確認し施術に役立てていきます。
4.施術
問診検査の内容から鍼やお灸を使用し施術を行う経絡経穴(いわゆるツボ)を判断して施術。
鍼灸施術が初めての方や怖さがある方も安心して受けて頂けるように刺さない鍼やほんのり温かいお灸も行っております。
5.施術終了
施術後の身体の状態をお聞きして、次回の来院頻度などについてお話をして終了します。
施術により水分代謝が高まりますので、施術前と後の水分補給をしっかり行っていただけるとお身体も良くなりやすいです。
また、施術後は動きすぎないようにゆるりと過ごしていただき、食事や入浴は施術の前後1・2時間ほど間を空けていただけますと効果がしっかり得られやすいです。
【 鍼灸適応疾患 】
【神経系疾患】
◎神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー
【運動器系疾患】
関節炎・◎リウマチ・◎頚肩腕症候群・◎頚椎捻挫後遺症・◎五十肩・腱鞘炎・◎腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)
【循環器系疾患】
心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ
【呼吸器系疾患】
気管支炎・喘息・風邪および予防
【消化器系疾患】
胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾
【代謝内分秘系疾患】
バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血
【生殖、泌尿器系疾患】
膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎
【婦人科系疾患】
更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊
【耳鼻咽喉科系疾患】
中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・へんとう炎
【眼科系疾患】
眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい
【小児科疾患】
小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善
※ ◎神経痛・◎リウマチ・◎頚肩腕症候群・◎頚椎捻挫後遺症・◎五十肩・◎腰痛は鍼灸の健康保険の適用が認められています。
【 よくある質問 】
1.鍼は痛くないの?
鍼施術で使用する鍼はわずか0.2ミリ程度で髪の毛程度のとても細い鍼を使用していきますので、基本的にはほとんど無痛刺激となります。また刺さない鍼を使用することもあるので、刺されるのが怖いという方は遠慮なく仰って下さい。
2.お灸は熱いの?
当院では、ほんわりあたたかい心地の良いお灸で施術を行っておりますので、お灸で火傷をすることはありません。
3.副作用はあるの?
お薬のような副作用はありません。鍼灸治療後は一時的に色々な症状が出ることがあります。
これを東洋医学では瞑眩 (めんげん)と言いむしろ効果の現れる証(あかし)とされています。
また、鍼をした際に刺した部分に重だるさを感じることがあります。この感覚は鍼の効果の一種です。
通常、この重だるさはすぐに取れていきますが、まれに数日間残ることがあります。
これらの反応は体が良くなる方へ変化する過程で起こるものですのでどうぞご安心ください。
【 鍼灸の歴史 】
鍼灸施術は古代中国より私たち日本に仏教とともに伝来し奈良・平安・鎌倉・江戸時代を経て今日に伝えられてきた東洋医学的な伝統医学になります。
人の手から手に、口から口へと伝えられ脈々と受け継がれ、現代医学では治らない病気や予防医学に効果がある施術法。
現在では、大きく分けると東洋医学的な観点から腹診や脈診で全体の五臓六腑のバランスを診て経絡経穴を使用(いわゆるツボ)し行う東洋医学的施術と解剖学的に身体の状態を診て行う西洋医学的施術があります。
【 鍼灸の意外な効果 】
鍼灸治療は、腰や首・肩・膝などの急な痛みや慢性的な痛み、自律神経の乱れから起こる冷えや不眠、食欲不振、便秘下痢などの不定愁訴、ホルモンバランスの乱れから起こる生理不順などに効果がありますが、鍼灸を初めて受けられる方や受けたことがない方に効果について詳しくお話ししていくと意外に驚かれることがあります。
それは、女性に多い変形性関節症による変形の状態を抑える効果があること。また、肌荒れや手術痕の皮膚を綺麗にし、皮膚の突っ張りをとり柔らかくするなどの効果もあることです。女性にとってお肌の状態や体の状態はとても敏感になってしまうもの。
鍼灸は女性をイキイキと綺麗にしてくれる優しい施術でもあるのです。
現代医療でなかなか痛みや辛さが取れないとお悩みの方、あきらめずに鍼灸治療をお試し下さい。